新婦人しんぶん 2012年8月9日(木曜日)1面 東京新聞(2012年06月17日)1面 続く民意ないがしろ あきらめず「市民が政治変える」 国民のための政治家 応援 「国民の多くが反対しているのに、大飯原発の再稼働が決まってしまう。民主主義が根底から覆されている。これでは独裁政治だ。」東京都杉並区の会社員福島由美子さん(三九)は憤る。 子どもが通っていた保育園への補助金が減らされることに疑問を持ち、都議会を傍聴するなど政治への関心を深めていた。福島第一原発事故以降の政治の動きで、福島さんの関心は一気に危機感へと高まった。 今年三月、脱原発デモなどで知り合った人たちと「Project(プロジェクト)99%」というネットワークを結成した。権力を握る1%の人ではなく、99%の国民のために働く政治家を探し、党派にかかわらず応援したいとの考えからだ。 脱原発、消費税増税反対、環太平洋連携協定(TPP)反対が主張の三本柱。この三つについて、全国会議員にネットとファクスで意見を求めたが、回答率は2.5%。そこで五月から地元の議員に直接会いに行き、意見を聞いたり、陳情することをネッ上で呼び掛けている。ツイッターのフォロワー(読者)数は千人を超えた。 プロジェクトの代表を務める作家安部芳裕さん(四八)は「電力会社は政治献金や選挙支援などで政治家をコントロールしている。私たちに使えるのは選挙の際の一票しかない」と訴える。 福島さんは「選挙に行かない大勢の人たちを動かしたい」と話す。仲間を増やしていけば、自分たちの意思をくみ上げる「票田」をつくることができる。「国民のために働いてくれる政治家を応援します」という趣旨に、賛同者を募る署名活動も近く始めたいという。