日本農業新聞 2013年9月30日(月曜日)

「国家戦略特区」を問題視 規制緩和が加速化 市民グループTPPシンポ (2013/9/30)

市民グループ「プロジェクト99%」や特定非営利活動法人(NPO法人)・アジア太平洋資料センター(PARC)などは29日、東京都千代田区でシンポジウム「知らなかったではすまされない! TPPと国家戦略特区」を開いた。環太平洋連携協定(TPP)交渉と並行して、医療や雇用など多くの分野で規制緩和が加速化する危険性について学んだ。参加した市民ら150人はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、立場や組織の垣根を越えて連携する重要性を確認した。

同グループの安部芳裕代表は、米国の大企業によって交渉が進められる実態を説明。「TPP交渉と並行し、さまざまな分野に外資企業が参入しやすくなり、われわれの生活に関連する多くの分野の規制緩和が進んでいく恐れがある」と警鐘を鳴らした。

前大田区議会議員の奈須りえ氏はTPPに相まって浮上したとして、国家戦略特区や国内法の整備を問題視。「国際競争力の強化や民間投資の喚起を狙いに規制緩和を認める特区だが、国民への影響は明らかにされていない。TPPと国家戦略特区を関連付けて考えていく必要があるのではないか」と主張した。立教大学経済学部の郭洋春教授は、米韓自由貿易協定(FTA)で、韓国の法律や施行令などが改正されていることを踏まえ「TPPの本質は日本の法律、制度、習慣を米国企業の都合の良いように変えることにある」と指摘した。

TPPを阻止する運動に対して、PARCの内田聖子事務局長は「政府や与党議員に国益を守るという約束を果たしてもらうよう、連携して働き掛けていくことが重要だ」と呼び掛けた。郭教授は「反対と訴えるだけではこれ以上、運動は広がらない。TPPに代わる国家成長戦略を示す必要がある」と強調した。

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